近年、企業の障がい者雇用に関する意識は徐々に改善しつつあるものの、未だ多くの一般企業においては、障がい者の能力を活かす職場環境が十分に整備できていません。その結果、健常者と障がい者との間には、大きな収入格差が生じています。

しかしながら、私たちは、多くの障がい者就労施設を見学し、障がい者が製作した商品の品質は非常に高いことを知りました。このような商品をつくり出す障がい者の能力の高さをもっと世の中の人に知ってもらいたい、そして障がい者と健常者との収入格差を解消したいという想いを抱くようになりました。

そこで、私たちは、お菓子づくりのプロである丹羽萌子氏(SweetsHERO)監修・支援協力の下、クッキー製造等の就労継続支援を行う支援事業所であるbeing桜山の新商品「サクッキー」の開発を行ってまいりました。また、パッケージのデザインについては、椙山女学園大学の学生の皆様にもご協力をいただきました。

是非、サクッキーを食べて、その品質の高さ、障がい者の能力の高さを知って下さい。

公益社団法人名古屋青年会議所
第70年度雇用格差解消実現委員会

測る

材料を量ります。タッパーをはかりにのせ、少しずつ材料を追加していきます。目盛りが目標値になるところでぴたりと止まると良いのですが、微妙な数字で合わない時も合うまで繰り返し行います。

混ぜる

材料を混ぜます。この時の混ぜ方によって生地がさっくりしたり、しっとりしたり違いが出てきますので、その日の気候を見ながら混ぜる回数などを変化させる職人技です。

伸ばす

生地を棒状に伸ばします。できあがった生地を手技、機械で伸ばしていきます。クッキーの大きさを揃えるためには常に同じ太さで伸ばしていくことが大事です。この後、冷凍庫で熟成させることで生地にまとまり感を与えていきます。

切る

棒を切ります。冷凍熟成した生地を包丁で切ります。手早く行わないと生地がだれたり、ゆがんだりするので気をつけながら切っていきます。

焼く

オーブンで焼きます。スチームコンベクションオーブンで焼くことにより、クッキーが後味良く、さくっと仕上がります。焼き過ぎや生地がたれてしまわない様に温度調整も気候により変化させています。

袋に詰める

袋入れを行います。焼き上がり、粗熱の取れたクッキーを袋に入れていきます。手早く入れ、封をしていよいよ完成です。

サクッキー

  • 原材料(バター)
    小麦粉(国内製造)・卵・発酵バター・きび砂糖・粉糖・グラニュー糖・塩・膨張剤(一部に小麦・卵・乳成分を含む)

    種類によって原材料が異なります。

  • 価格
    350円(税込)
  • 内容量
    45g
  • 送料
    410円
    2,000円以上の購入で送料無料
  • お支払方法
    代金引換払い

サクッキーのPRポイント

(素材の改善)
まず、クッキーそのものについては砂糖を白糖から、ミネラルやカルシウムが豊富に含まれいる、天然素材のきび砂糖に変更しました。また、無塩バターから発酵バターに変更したことによりコクが深まり、特有の風味が増しました。また、塩の量を少し増やしたことで、甘みと素材そのものの味が引き立つようにしました。

(サイズの改善)
サイズを少し小さくして、一口で食べやすいようにしました。

(パッケージデザインの改善)
パッケージにチャックを付けることで、持ち運びやすくしました。また、パッケージを透明にしたことによって、中の味を確認できるようにしました。

椙山女学園滝本研究室の皆様にご協力いただいたデザインで、若い女性にも魅力的な洗練された高品質なクッキーに見合うデザインとなりました。

販路拡大についての取り組み内容

ECサイトを立ち上げ、全国のお客様に商品を提供できるようになりました。また、名古屋青年会議所の幅広いネットワークを通じ、複数の店舗に出店を予定しています。

売上向上、障がい者の収入向上の見込みについて

being桜山では、現在、急ピッチで生産能力の拡大をしています。名古屋青年会議所の拡大した販路、ECサイトによる通信販売により、サクッキーの売上は大きく向上する見通しです。

サクッキーは高品質の商品のため、品質に見合う適正価格で販売いたします。サクッキーの売上が向上、また通販の継続販売により、その売り上げを維持ないしさらに向上することにより、障がい者の収入は持続的に向上すると見込んでいます。

名古屋青年会議所より

サクッキーの商品開発を通じて、障がい者の個々の能力の高さを改めて感じました。働く意欲のある障がい者が、職業適性に合った職場において能力を発揮すれば、一人の人財としてまちの支え手となります。今回の事業ではクッキー製造に焦点を当てましたが、障がい者が活躍できるフィールドは数多くあります。

市民が障がい者の能力を認知し、まちを支える人財として受け入れることは、障がい者と健常者の収入格差を解消するだけでなく、まちの発展、ひいては明るい豊かな社会の実現につながります。

今回の事業は、その一つの例に過ぎませんが、このような取り組みがあらゆる分野でなされ、継続されることで、持続可能な社会が創造されることが私たちの願いです。

being桜山

障がいのある人たちにとって働くということは、収入を得るため、自分自身の成長のため、社会の役に立っているという実感を得るためなど様々な意味合いがあります。こうした複合的な目的に向かって、たくさんの障がいのある人たちが働き、また支援者も働くという意義を感じてもらえるように支援してきました。ただ、支援者は福祉の専門家ではありましたが、製造や販売などの専門家にはなり切れていませんでした。

今回、名古屋青年会議所様、SweetsHEROの丹羽萌子様、椙山女学園大学学生の皆様のご支援、ご協力によりサクッキーの商品開発をさせていただく中で、働くことの大きな意味である障がいのある人たちの収入確保、生活をより良いものにするためには、福祉の専門家である私たちが、製品・価格・流通・販売促進といった部分で専門家に近づいていくこと、できないのであれば今回のように専門家の力を借りていくことが必要であると大きく感じました。今後は強い意志をもってご支援いただき踏み出せた一歩を次の一歩につなげていき、多くの方々に障がいのある方の持っている素晴らしい力を感じてもらうと共に価値のある製品を提供し続ける様にしていきます。

センター長 武居建二郎氏

職業支援員 田中恵子氏

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